e)催眠療法-----治療者が交代人格に会うことを容易にする。



 


マリア達に催眠術が施される時に私(エイミー)とヒスローは何度か同行した。

実際に催眠状態になったマリアをその場で見守っていたこともある。

マリアは催眠術統合されることもすごく怖がってたし、私だって不安だったから、
それが行われる前に、マリアと一緒に図書館に行って、いろいろ調べたり、

精神医学を勉強して大学院に行った、(今マンガ家の)イシキに相談したりした。

イシキは催眠術もマリア達の統合も大大大大大反対だった。

今のマリアがいなくなっちゃうんじゃないかっていうのが、あたし達の心配。
マリアも自分はどうなるんだろうって不安みたいだった。

話が逸れるけどイシキはその頃、多重人格のマリアって女の子が主人公のマンガを書いていた。

催眠療法の時には、たぶん各々の人格がいつ現れたのかとか、
その時の状況とかを調べてるみたいだった。

私はすごく心配だった。
だってマリアがどんどん年齢後退ていって、目を閉じてるマリアの目の前になにが見えているのかわからないけど、震えて泣き出したりするし、どうなっちゃうんだろうと思った。

「父親にされたこと、言えなかったこと、今お父さんにむかって言ってごらん」って促されてたけど、マリアの涙はあとからあとから流れてきて、「お、とうさん、、やめて」って小さな声でやっと言っているような感じだった。

私はこれはすごく危険なことだと思う。

イシキが反対したように、図書館で調べた本でも催眠療法を禁止すべきという文献もたくさん読んだ。

催眠療法直後のマリアの日記がどこかにあると思う。今度、聞いてみる。

私が知ってるのはこれだけ。
 

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