100年ないし、それ以上のあいだ
世界は----僕達の世界は、死にかかっていた。
そして、この100年内外のあいだ、
天地のおしりに爆弾をしかけて、
それを粉みじんにするほどの気狂いは
一人としていなかった。
世界は腐りつつある。
バラバラに死にかけている。
だが、この世界にはとどめの一撃が必要なのだ。
木っ端みじんに吹き飛ばすことが必要なのだ。
僕達のうちの誰ひとり完全なものはいない。
だけど、それでも僕達は、
僕達の内部に、海と空の鳥とを持っている。
僕達はそれを表現しようとしてるんだ。
----すでに死んではいるが、まだ埋葬はされていない、
この世界の進化を。
僕達は時間の表面を泳いでいる。
他のやつらは、みんな溺れてしまったか、
溺れつつあるか、
あるいはこれから溺れるだろう。
天才は必要ではない。
----天才はもう死んでいる。
僕達には強い働き手が必要なのだ。
幽霊なんかとは縁を切って
すすんで肉の衣を着ようという人間が必要なんだ。
tropic of cancer
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