05-31-00 WEDNESDAY

05-30-00 TUESDAY

05-29-00 MONDAY

05-28-00 SUNDAY
「ねぇ、まりあは、アタシを必要としている?」 
「きゅうにどしたの?」 
「アタシが必要?」
必要って言ってもらいたいのか、反対なのか、わかんなくて答えを言えないでいた。
自分の気持ちはというと、人だろうが、ものだろうが、必要なものなんてなにもない気がしていた。
「まりあは、アタシを愛してる?」

君は一度も俺を愛してくれなかった、俺のほうをむいてくれなかった。

■■■はそう言い続けるけど、僕は、愛情とか、人とのディープな関わり方とか、取り扱い不明なものに戸惑っていただけだった。だから、■■■が帰ってくる時間には出かけるようにしていたし、■■■がスタジオに行く時間に帰ってくるようにしていた。部屋の中で顔をあわさないようにしていたのは、■■■がリラックスできるように気遣ってのことだった。首都高をグルグルまわったり、朝までやってる本屋で立ち読みしたりして時間をようやく潰して帰ってきて、チャールストンで誰々と飲んで楽しくやってたって話したりした。
僕の不器用さが、人を傷つけているなんて、その時は知らなかった。
■■■は、いつもいつも僕を探して走り回っていた。僕が行きそうな街を、たくさんのバーを。

誰かが、僕の目の前で不安そうにしていると、人を傷つけるのは嫌だと強く思う。また僕は、君を、あなたを、おびえさせてしまっているの?

どうして僕があんなに人を傷つけることが出来たのか。意識的にせよ、無意識的にせよ、何年も時間をかけて、僕は人生の中でいろんな人を傷つけてきた。
誰かの涙を見ると、僕はすぐ一緒になって泣いてしまう。誰かが悲しんでいると、僕まで死ぬ程悲しくなってしまう。痛みや寂しさ、僕が背中を向けた人々のそんな気持ちをきっと僕はちゃんと感じている。
傷つけられるのを怖がっているのは、まりあのほうじゃなかったの?
だから、傷つけつづけてきたの?
そうだとすれば、僕はとんでもない臆病者で卑怯者だ。そうだ、それが僕なんだ。

「大好きだし、とても必要に感じているよ、だから心配しないで」
味のない乾いたパンが口から落ちたような感じがした。思ってもない言葉。
まりあ、お前なんて死んでしまえ。
そうだ、自分が傷つくことを気にする必要もないし、誰かが泣き出すことも心配する必要はないんだ。
そうじゃなかった?いつか僕らおんなじところに行くんだろう?

明日、あのコに言おう。 「僕は本当は君を必要だなんて思っていないんだ。大好きだよ。」

05-27-00 SATURDAY
05-26-00 FRIDAY
キノコ食べたわけでもない、粉を吸ったわけでもない。
死にたい死にたい、好きな人に殺されたいの、死にたいのって、バカなこと言うのが止まらなくなった。

フランス家庭料理を食べて、好きなキールを飲んで、たまに会う友達もいいなぁと思って、帰ってきて寝ようと思っただけ。
タクシーの中で、「ねぇ、泊まっていこうよ」って言われて、ゾーっとして、途中でタクシーを降りた。もう人を蹴飛ばしたり、汚い言葉を投げたりする力も、自分にはなくなってしまったように思った。

ベッドに倒れたら、急に涙がでてきて、止まらなくなって、死にたい死にたい、なにもかもいらない、死にたい死にたいって叫び続けて、窓の外が明るくなってきても、まだ泣いていて、ああ、だけど、気がついたら、誰かにもらったアモバンたった一錠で、夢の中にいたんだ。鍵をかけてまわってる夢だった。

愛している人。■■■、■ゅ■■ゃ、あみちゃん、ヒスロー、ヨウタ。
僕らはなんにも変わらないままなのに。

なんにも言えない。僕にはなんにも言えないよ。
コメントをもたないコメンテーター。僕の椅子は座ったとたんにくだけ散ってしまう。
僕にはなんにも言えないよ。君の苦悩がなくなるといいと思う。君の悲しみを取り去りたいと思う。僕はかけるべき言葉をなんにも持たないんだ。ゆっくりとギターケースの鍵をあけて、僕があの歌を歌ったら、君はそこに座っていてくれるかな。

泣かないで、泣かないで、って何度も僕に歌い続けるあの人は、誰のための歌を歌い続けているんだろう。

誰かの悲しみが痛いんだ。なにも言えないけど、そこに座っていてくれる誰かのための歌を探したい。

05-25-00 THURSDAY
なんでそんなに、みんな自意識過剰なのかなと思う。最近、よく思う。
立続けにそういう人に出会ったせいかもしれないけど。
人にどう思われてるか?自分は嫌われていないか?相手より勝っているか、負けているか。

あー、どっちでもいいじゃん。

人が自分をどう思っているかっていうのは、いくら考えたってわかんない。人の考えてることだから。
嫌われたくなくて自分をつくって、「つくった自分」を好かれたって困っちゃうじゃない。

好き勝手なことしたらいいのに、もっと。
誰かにこう思われるためとかじゃなくて、自分のために。

占い師のバイトをしていた頃、まりあの占いがなぜかやけに評判で、ぐったりするほどお客さまがやってきて、一日中、悩み相談を受けては、(たいていはそのコの望む通りじゃない)未来予想をして、それを出来るだけ遠回しで向きな言い方にすりかえて、励まし続けてた。ぐったりするほど。
帰り道の車のカーステをガンガンかけて、不倫、片思い、失恋、失業、そんなこと本当はどうでもいい事なんじゃないかって、みんな死ぬんだからって思ったりしてた。
終わらない悩み。死ぬまでの時間潰しになら最高のゲームかもしれない、悩み→解決。
涙はどうして流れてくるんだろう。
みんな、いつかは平等に死ねるって事は、もしかしたらすごいプレゼントなんじゃないか。

05-24-00 Grand Blue
Grand Blueのレセプションパーティが昨日あって、やっとリニューアルオープンっていうのをとげた。入ったとたんにワインセラーがどーんってあって、本気な感じ。
ハワイなお店が、フレンチレストランに変わった。まりあの好きなカリフォルニアンフレンチ。
だけどAmerica's Best shef in 1999とか雇っちゃって、すごい宣伝なんかしちゃって、もう時々、ヨウタさぼらせたり出来なくなっちゃった。
ふん。おいしいカルフォルニアンフレンチなら代官山のタ■ロ■ズがあるじゃん!って、へんな絡み方してた。
例えば好きな人が、久々に会って別人みたいになってたら、寂しいような気持ちになる。好きだったお店のことなんだけど。

「WOMEN'S PALAZAで紹介してもらったんですけど」って、静岡にあるという性暴力裁判ネットワークに電話をした。津野田弁護士は、なんだか威圧的で低い声の冷たいような、怖い話し方をする女の人だったけど、市ヶ谷にいる女性弁護士を紹介してくれた。そこに電話してみて、そこの感触もよくないなと思ったら、また電話してきなさい、って、話し方とは関係なく親切だった。電話を切った後しばらく、津野田弁護士をいう女性はいつから、どうして、あんな怖い話し方をするようになったんだろうと考えた。弁護士になったからそうなったのか、性暴力裁判ネットワークに関わったことが原因でそうなったのか、それとも子供の頃からもともと、あんな平淡で冷たい口調だったのか。
いろんな人がいろんな相談所や、弁護士を紹介してくれたけれど、紹介した先がよくなかったら、また電話をかけてきなさいと言ってくれた人は初めてだったから、僕はじわってなるぐらい嬉しかった。
市ヶ谷の樋口弁護士に電話をすると、研修で海外に行っていて、火曜日まで来ないそうなので、火曜になるのを待って電話してみようと思う。

渋滞の中で、inter-FMを聞いていたら、好きな曲が偶然流れてきた。ラジオから好きな曲が聞こえてくるなんて珍しいこと。
ハンドルを握っている時間、ひとりきりの時間。だから、僕、よく、運転しながら、泣いちゃったりしてる。
運転席から見えるガラス越しの街ばかり見てるんだなと気づいた。僕がよく見ている風景。

05-23-00 the cake shop
甘い食べ物が好きだった頃、マシュマロをお鍋でとかしてライスクリスピーを入れて、一緒にお鍋の中で混ぜ合わせて、それをライスクリスピートリートと呼んで、よく、つくっては食べてた。
憧れみたいに好きなあのマシュマロは、お鍋のやわらかい火にかけるときれいに溶けてしまって、僕は家出をした後の寂しさをなだめるために、よくマシュマロが溶けていくのを見つめていた。

鍵のついたものばかり。

人は、ため息をつきながら、汗を流しながら、いちいち嘆きながら、
そこらじゅうに鍵をかけまわって一日が終わる。

取られないように。見られないように。入りこまれないように。傷つけられないように。

マシュマロが溶けていくのを見ると、こんなふうにみんなと気持ちも溶け合ってひとつになれるんじゃないかなと「幻想」を抱いてしまう。
どうして幻想?
「それは、最初からひとつだからだよ。」

「鍵をかけたのは君なんだよ。」

05-22-00 MONDAY
紹介された女性弁護士は、法律扶助協会の役員をやってる人で、だから、今、まりあが雇ってる弁護士のかわりになることは難しいらしくって。

お父さんは、それでも弁護士のところに電話をかけてきて、酒を飲んでいたから覚えていないとか、今、会社をやめて、家にも帰れず住所不定だとか、離婚の話がでているとか、それを娘に伝えて欲しいとか言ってるようす。

いいから、死んでください、お父さん。

僕の記憶をなくしてください。先生。

今日、WOMEN'S PLAZAというところに電話したら、性暴力裁判ネットワークというところと、女性弁護士協会というところを紹介された。明日、電話してみるんだ。こんなことに負けないんだ。いや、勝ち負けじゃないかもしれないけど、僕は、国会図書館に行って、過去のそういう被害の判例集を調べた時に、実父にされて裁判したっていう例で見つけられたのは30年前のたった一件だったけど、たくさんの性暴力の被害にあってる女性の判例を見て、悲しくなって、泣いたんだ。いっぱい調べてたら、いろんな事件があって、納得いかない判決があったり、拍手を送りたいような判決もあったけど、こんなにいっぱい苦しんでいる女の人がいるんだなと思ったら、なにをしたらいいんだろうと考えた。
こんなふうに動いてみて、被害にあった側が訴えを起こすのに、さらに大変な思いをしなくちゃなんないなんて、女の人はかわいそーだと思った。僕が、女だから思うのか、痛みがわかるから思うのか、とにかくそう思ったの。

女達!がんばれ!アホな男なんかに負けるな!

泣きそうな想いで、そう思ったんだ。
今夜は女のコのために、僕は曲をかくよ。

05-21-00 SUNDAY
05-20-00 SATURDAY
05-19-00 FRIDAY
05-18-00 THURSDAY
優しい言葉が、どうして言えないんだろうと思う。
言おうとすると、そのとたんに口のあたりがこわばって、言葉は崩れ落ちた旋律みたいに奇妙な音になって口から落ちる。
昨日の夜はマンションにやってきた友達をドアのところでひっぱたいた。ドアを顔に叩きつけた。そんな風景を見ていた。そこに立って。ドアから離れた。友達がはいってきた。
ねえ、撮影までに腫れはひくと思う?いいの、私が悪いんだから当然だもの。
眠っている時に、お湯をかけられた。友達がまくらもとに立ってた。ああ、さっきはごめんね。やけど、大丈夫?うん、腫れは大丈夫?

リアルに感じられるもの。痛み。
痛がっている顔と自分の痛み。

曲をつくる時のあの僕は、心の底の優しさを照れたりしないで、かき続けているのに。リアルなものは痛みだけじゃないとわかっているのに。優しさはいつからこんなに難しくなったんだろう。ねぇ、小鳥のお墓をつくった、水槽に浮かんでた金魚を見ていっぱい涙がでてきた、帰り道、友達が泣いてると一緒に泣いた。優しさは自然なことだった。
僕はメールの返事を99%書かないけれど、それは読んだメールの内容をすごく受け止めてしまって、まるっきり呑込んでしまって、そうしてでてくる返事がメロディだったり、曲になってたりするから、言葉にしてメールにすると、まったく僕の言葉はその旋律を崩してぽとぽと無機質に落ちていくだけになっちゃうからなんだ。
「優しい言葉をかける」というのはある種の技術もいることなんじゃないかと思う。
言葉にならなくても、想うことはできるよね。想ってますよって言わなくても。
ああ、ちゃんと話せたらな。

05-17-00 WEDNESDAY
05-16-00 TUESDAY
05-15-00 MONDAY
園生スタジオでJUICE THE PUNKのinfomationサイトをアップしてくれだんだよ。ああ、あの曲を聞いてくれる人がいるといいなと思う。道に迷ってる君に、愛されたいって泣いてる君に、そんな誰かのためにかいた曲だから。
05-14-00 SUNDAY
05-13-00 SATURDAY
05-12-00 FRIDAY
05-11-00 THURSDAY
05-10-00 WEDNESDAY
05-09-00 TUESDAY
05-08-00 MONDAY
<メモ>
しげそととびーと話した。ライブのこと。しげそっちの「動かそう」っていう言葉が嬉しかった。なんか。
AKIOさんはツアーにでている。マサオさんはルスデン。
ロミから電話、i-bookの使い方が少しわかってきたらしい。明日、フランツから送られてきた企画文書を読むこと。
駐車場、Mac、郵便局、HDレコーダー。
05-07-00 SUNDAY
八ヶ岳から帰還。
中央高速を飛ばして、だんだん東京に近づいてくる程に寂しい気持ちになっちゃうのに、スピードは落としたくない。河口湖の別荘に行った時も、八ヶ岳に行った時もそう。
中央高速を走る時は、よく泣いていた。寂しさとか悲しさとかいろんな気持ちから逃れたくてスピードをぐんぐんあげる。
青木ヶ原樹海のあの空気に呑込まれに行くときだって中央高速だし、河口湖で泣く時も、八ヶ岳でギターを弾く時もそう。
よく飛ばした高速。
あの道で飛ばしたくなる気持ち、そんなふうに東京から遠ざかる時、それからこんな気持ちで帰ってくる時。
ああ、今日はまだ混乱してる。
一本の高速道路がつないでいるなにか。

そんなふうにつくったあの曲を思い出した。空を見上げながら。泣いたり、逃げたり、また立ち上がったりしながら。

05-06-00 SATURDAY
05-05-00 FRIDAY
05-04-00 THURSDAY
05-03-00 WEDNESDAY
05-02-00 TUESDAY
05-01-00 JUICE THE PUNK会議
紹介された女性弁護士さんのところに行った。

夜はJUICE THE PUNK会議をした。
今月15日には新しい曲を、あの3曲を、ウエッブ配信?する事を話した。なんとか説明できた。なにもなくて話したから伝わったかどうか。
誰だって止まってることはできないと思った。死んでしまうのをじっと待ってるか、どっちにしても死ぬからなんかやってみるか、どっちかってこと。どっちを選んでも価値は同じなんだけど。

8月/9月/10月/11月/12月/1月/2月/3月/4月/